= 研究発表 =

札幌わかくさ幼稚園
        鳥海 利織

 
札幌わかくさ幼稚園では、『五感を総動員する活動』を通し、個性や社会性を高める保育を大切にしています。今回の大会では、「絵」の活動になると手が止まりなかなかかくことができない子を事例に、保育者の見取りや関わりを発表します。心が動き「もっとかきたい!」と変容していく過程に、保育者のどのような働きかけがあったのか、幼稚園での「評価」の視点に立って考えます。

北海道教育大学附属札幌小学校
         三浦真奈美

 
5年生の絵に表す題材の実践を通して、「この子が<主体的に>感じる=考える=表す」姿、その姿を引き出す教師の役割について考えます。本研究発表によって、札幌市造形教育連盟の研究主題「この子が、感じる=考える=表す造形活動」の意味や価値を問い直し、教師の意図的で総合的な教材化と関わりによって生まれる子ども中心の造形活動の在り方を浮き彫りにします。

= 提言発表 =

北海道

名寄市立名寄西小学校  栗林 友恵

 
音が鳴る材料に触れることで五感を通した発想や構想を広げたり、音楽の学習で「森のたんけんたい」の曲を扱い、「キツツキの音を表す楽器を作るために、自然の材料を活用してみよう。」と提案することから、曲想に合った音色やリズムを表現するための楽器を製作したりするなど、合科的に学習を行った実践について発表を行います。

神奈川県

横浜市立南太田小学校  永縄 啓太

 
本研究会のキーワードになっている「もっと。」という子どもの思い。その「もっと。」という気持ちは、「いつ」「どこから」子どもの中に芽生えてくるのでしょうか。私なりに見つめた子どもの「もっと」を、「間(ま)づくり」という3つの視点から考えたいと思います。

= 研究発表 =

札幌市立栄西小学校
        黒川 友理

 
造形遊びや工作に表すことを通して、光の「いい」を見出す子どもの様子を紹介します。箱に開けた小さな穴から中をのぞいてみると、差し込んだ光からどんな世界が広がっているのかを、光と材料、箱の中の奥行やバランスを考えながら、表したいことを思い付くようにしました。様々な場面で「のぞく」ことに焦点化することで、子どもの「もっと」が生まれていくように工夫しました。

札幌市立円山小学校
         菊地 惟史

 
子どもたちの豊かな造形的な見方・考え方が発揮されるよう「教材化の工夫」の視点を中心に考えました。CDのプラスチックケースに絵をかくことで、いつもと少し違うことに取り組むわくわくした気持ちから出発し、「透明」「重なり」「変化」といったCDケースの特徴に気付いていきます。そうした気付きから「こんなことも思い付いた!もっと試してみたい!」と「もっと!」がつながり、広がっていく題材を目指しました。

= 提言発表 =

北海道

千歳市立北陽小学校  若林 朗子

 
ステンシルの技法を使い、国語で学習した物語「スイミー」の中で心に残った場面を表す実践を行いました。児童にとって既習の道具や材料、技法、そして物語を活用できるようにしたことで、一人一人が「もっと楽しく」「もっとすてきに」「もっといっぱい」…といった「もっと」を連続させながら表し方の可能性を見出したり選んだりすることができるようにした実践です。

愛知県

名古屋市立豊岡小学校  大須賀 章人

 
まず、エドヴァルド・ムンクの代表作である「叫び」を鑑賞します。その後、今の自分の気持ちを表す「叫び」を体で表現し、友達と写真を撮り合います。そして、撮った写真を切り抜き、貼り付けた周りに絵の具やパスを使って背景を描くことで、自分だけの「叫び」をつくる題材です。

= 研究発表 =

札幌市立あいの里東中学校
        久蔵美和子

  
発達の差や違いが大きい生徒が在籍する特別支援学級で、どの子も自信をもって表現できる題材としました。子どもが「音楽」を聴き、曲のイメージの想像を広げ自分らしい形や色彩などを考え、表現することを目標にしました。特に子どもが自分自身の表現を振り返り、友達との対話から「もっとこうしたい」と思いを高め、自分らしい「きらめく表現」をたくさん生み出していた様子を見ていただけたらと思います。

札幌市立新陵中学校
         市川 雅基

 
透明水彩を使って自分の「手」を絵に表現する活動を通して、中学校3年間の目標や、生き方について自分なりの主題を生み出し、心豊かに表現する題材です。「手」は多くの作家がモチーフとして扱ってきた題材で、思いや心情を表情豊かに表してくれます。自分の手を通して3年間の思いを膨らませ、これから始まる中学校生活を想像しながら生き生きと表現する題材です。

= 提言発表 =

北海道

函館市立巴中学校  櫻井 純

 
各学年の授業を通して、自己表現の楽しさや魅力を感じると共に、美術を身近なものに感じたり、普段の生活の中で美術が深く関係していることに気が付いたりすることで、自分の生活をより豊かにするための様々な視点を育みたいと考えています。苦手意識が強い生徒であっても取り組みやすい授業を心がけ、今回の提言では3学年「漫画の主人公になりきろう〜点描による自画像〜」の授業を中心とした発表を行います。

千葉県

市原市立千種中学校  大和田 具志

 
市原市の中学校共通テーマの一つとして自分の気持ちの表出を主軸にした視点のみではなく、私たちの生活を豊かにする美術を目指し、生徒の主体的な作品制作を通じて、観る人を「ほっとする」「元気が出る」といった気持ちにさせる課題を設定しました。今回は1年生を対象に、色彩の学習をベースに生徒一人ひとりの自由な発想で平面作品に取り組みました。
 

= 研究発表 =

札幌市立真駒内中学校
        伊藤 彩乃

 
本題材では、水彩絵の具を用いた“具体的な形やイメージに頼らない表現活動”を通して表現の広がりを体感し、「未来に向かう自分」をテーマとした抽象的な彫刻表現に繋げていきます。素材の感触を楽しんだり、自己を表現する喜びを感じたりしながら、造形的な見方・考え方が変容し高まる題材を目指しました。生徒が抽象表現の面白さを存分に味わい、形や色彩のイメージを広げていく姿をお伝え出来ればと思います。

市立札幌平岸高等学校
         千葉 有造

  
デザインアートコースにおける専門科目「素描」の実践です。専門的な用語の理解と自己評価・相互講評等を通じて自身の目標設定や課題(「もっと」)を発見していく姿を考察していきます。1年間に渡る生徒の制作と生徒同士・生徒と教師の関わりから、素描での表現活動を言語化に結び付けていく振り返りをご紹介したいと思います。

= 提言発表 =

北海道

北海道教育大学附属釧路義務教育学校後期課程
                更科 結希

 

表現領域を中心に、「協働的な学び」を位置付けた題材や授業の構造化に着目し実践してきたいくつかの事例を基に、生徒個人の造形的な見方や考え方を拡充し、自律を促す授業の在り方について発表いたします。また、ICTの活用が「協働的な学び」や「わたしの更新」にもたらした効果についても紹介します。

長野県

松川町立松川中学校  水野 恭子
 

 
南信州に位置する下伊那地域の全郡テーマとして、昨年度「思いつながる広がる私の造形ネットワーク」を掲げ、長野県美術研究大会に向けて実践してきた授業です。私たちは「思い」(表現主題)に常に立ち返ることで、自分らしい表現が深まっていく授業、自分らしさを楽しむ授業を目指しました。『「もっと」こうすれば「思い」を表現できそうだ。』そこには、支持体としてベニヤ板を使い、自己との対話、友達との関わり等を造形ネットワークとして授業に位置付けることで、思いが明確になればなるほど、納得するまで手を止めず、追求する生徒たちの姿がありました。