これまでの授業研究では、どちらかというと機軸(つくる・みる)(図1参照)を内容面で捉え、学年の発達に合わせて活動の内容、つまり題材を考えることが多くありました。教材を研究し、教科の目標に準拠した題材を設定し、授業を通して子どもたちの活動を評価し、授業改善を行うといった内容優先の発想です。
しかし、今日、授業を教師側(題材側)から一方向で見るのではなく、子ども側(資質や能力を発揮している状態、活動の過程)から見ていくことが重視されています。授業づくり、授業評価の視点として再確認していく上では、「何を何でつくるか」という個の活動を見つめるだけではなく、「どのように思い、どのように自他の思いを交わしながら自分の形や色、美しさや面白さについての見方や考え方をつくり出していたのか」という集団でのかかわり合いと表現や鑑賞の活動との関係をしっかり見つめることから、目指すべく授業像を共有していきたいと考えました。
つまり、どの校種、どの領域の授業をとっても、子どもたち同士のあたたかなかかわり合いがあり、自他の表現と鑑賞の活動がつながり合い、教師と子どもたちの心のふれあいを感じる授業を提案していくこととなります。
(図1:扉構想図)