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大会宣言
この度の東日本大震災において亡くなられた方々のご冥福をお祈りし,被災された方々に心よりお見舞い申し上げますとともに,皆様の安全と被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。また,被災地で生活している子どもの心に,造形教育の力で安らぎと希望を生み出すことができるよう,私たちも力を尽くしてまいります。造形活動は,子ども一人一人に夢や希望を生み出し,元気にする力があります。創造力を高め,新しい日本を創る力があると確信しています。また,未来を担う子どもが学ぼうとする姿は,被災された皆様の心の癒しや励ましに繋がるものと考えています。
我が国は高度経済成長を経て,めざましい発展を遂げてきました。しかし今日では,「学歴神話の変質」「雇用環境の変化」「子どもの虐待」「老人の孤立」などの大きな問題が生じてきています。
このような時代において,豊かな感性,創造性,個性などを大切にして,人間らしく生きることがますます重要になってきました。それはまた,主体性や自立性など人間としての資質や能力を重視する「生きる力」が一層必要な時代でもあると考えます。その中にあって私たちは,幼児期からの遊びや様々な体験を通して,美しいものや自然に感動する,生命を尊重する心など,「豊かな心」を育てる造形教育を一層大切にしなければなりません。
私たちは、戦後一貫して,子どもの人間形成にかかわる造形教育の振興を図り,時代が要請する教育課題に対応してきました。教育に携わる全ての人々は、人間形成としての造形教育を一層大切にしなければならないと考えています。
全国各地よりお集まりの方々と共に,この北海道の地で「“わたし”を創る~自立と共生の造形教育をめざして」の主題のもと,豊かな感性を育み,子どもが自ら価値を創る「自立」と,友達のよさに共感できる「共生」の造形教育の重要性を全国に発信する研究大会として,下記の事項を宣言します。
記
1 これからの生涯学習社会に向け,常に学び続けようとする意欲をもち,豊かな感性と知性が調和した人間形成と社会における豊かな文化の育成(「自立」と「共生」)を目指す造形教育の一層の進化と充実を図ります。
2 造形教育を通して,子どもが心と体を働かせ,表現する喜びを十分に味わいながら,他者とかかわり,自分自身をつくりあげていく過程を支えます。
3 国際化の中で,地域や他の機関との連携を図り,広い視野から造形教育をとらえ直すとともにその意義を広く社会にアピールし,造形活動を愛する人づくりに邁進します。
4 保育所・幼稚園・認定こども園・小学校・中学校・高等学校・特別支援教育諸学校・短期大学・大学等,また美術館等との連携を密にし,時代が求める造形教育の指導や支援のあり方を明らかにして,その充実を図ります。
5 造形教育をさらに発展させるために,表現活動,図画工作科・美術科の必要とする授業時間と,教科の専門性に長けた教諭等の配置と育成が必要不可欠と考え,これらの確保と充実を強く要請していきます。
以上,5点にわたり宣言いたします。この宣言を具体的なものにするため,全国造形教育連盟・日本教育美術連盟は大会主題に基づいた研究を,子どもの豊かな育ちにつなげ,これからの造形教育を発展させることを目的とし,全力をあげて取り組んでいきます。
平成23年7月28日
全国図画工作・美術教育研究大会in北海道
第64回 全国造形教育研究大会
第62回 造形表現・図画工作・美術教育研究全国大会
第61回 全道造形教育研究大会